2013年11月11日月曜日

「東京するめクラブ 地球のはぐれ方 村上春樹・吉本由美・都築響一」読了

東京するめクラブ 地球のはぐれ方 村上春樹・吉本由美・都築響一 文春文庫」読了.

村上春樹を隊長に,吉本由美,都築響一の三人の旅行記である.行き先は名古屋、熱海、ホノルル、江ノ島、サハリン、清里と今風ではない所.旅行ガイドではない.

どちらかと言うと,いまいちメジャーになれない場所,かつてメジャーだったが今は...のような場所を旅して,後で,ダメ出しの座談会.

ダメ出しだけではなく,一生懸命よい所を探そうとしている努力が伝わってくる.

今の時代も同じことをやっているからダメなんだよ.こうすればもっと人が訪れるのになんて.

読んだ後は,ちょっと訪れたくなってしまう.普通じゃないはぐれ方のガイド,

2013年10月22日火曜日

「数学は言葉 新井紀子」読了


数学は言葉 新井紀子 東京図書」読了.

数学から離れて数十年.最近,数学をもう一度勉強し直そうと思い,集合と位相の本を読み始めたが頭がついていかない.書いてある言葉が理解できていないんだな.

学生の頃から数学は言葉であることは分かっていたが,どうやらその言葉が十分に理解できなくなったようだ.


基本からやり直そうと手に取ったのが,以前から気になっていたこの本.数日で読めて,ああそうかと納得.大学初年度の頭には戻れそう.

しばらくは,初心者コースで頭の馴らしをしよう.

2013年10月20日日曜日

「書くことについて スティーブン・キング」読了


書くことについて スティーブン・キング 小学館文庫」読了.

スティーブン・キングが自分の作家生活を振り返って,書くこと,すなわち,小説を仕上げることをいかにして身に付けていったか,また,彼にとって書くこととはどのようなことかをまとめたもの.

2001年に出版された「小説作法」の新訳版である.

「作家になるために絶対しなければならないことはたくさん読んで,たくさん書くことだ」と彼は書いている.プロットは使うな.ストーリーは自然に出てくる.副詞は使うな等々.小説を書くときに彼が注意している事がなんなのかがわかる.単なるハウツー本ではない.

彼の小説が仕上がっていく過程が想像でき,彼の仕事場,書斎でその様子を間近に見ているようだ.

スティーブンのアプローチは小説だけでなくその他の文章を書く際は有益である.また,小説やその他の文章を読む際にも当然有益である.

2013年10月16日水曜日

「失敗談 外山滋比古」 読了


失敗談 外山滋比古 東京書籍」 読了.

「人生における失敗は人間を強くしてくれる」ということを体験等のいろんな話をもとに書かれている.

過去の著作の内容と重なるところはあるものの、今風に手直しされている.知ってる内容でも,読んでしまう.
失敗は無駄ではない.むしろ、失敗しないようにと育てられた,また,そのように生きている今の若者は困難や問題に直面すると弱い.

若い時は失敗を恐れず,トライすべきである.失敗,すなわち,マイナスは後々プラスになって帰ってくるものである.たくましく生きよう.

2013年10月9日水曜日

「約束された場所で 村上春樹」読了


約束された場所で 村上春樹 文春文庫」読了.

地下鉄サリン事件の被害者など,関係者のインタビューを記録した「アンダーグランド」を読んだときは,オウム,そしてオウム信者は酷い,どうしようもないなと思った.

オウム信者,元オウム信者のインタビューを記録したこの本を読むと,地下鉄でサリンを撒いたのは一部の信者で,ほとんどの信者がサリンを撒く計画すら知らされていないことがわかる.


だからといってオウムが悪くないと言うことではない.また,このようにオウムとひと括りにしてしまうのもよくないのかなと思う.

オウムも普通の会社組織となんら変わらない事がわかる.不祥事や事件を起こすのは普通の会社でもごく一部の人による.多くのまじめな社員は何も知らされていないものだ.

これを読むと私たちの社会に,そして,国家にオウムが内在していることがわかる.決して外の出来事ではない.特殊な集団が起こした事件ではないと思う.

過去,戦争を起こしていたとき,日本はオウム化していたのかもしれないと思った.

決して,忘れてはいけない事件である.未だに解決されていないし,十分に理解されていない事件でもある.


2013年10月3日木曜日

「アンダーグラウンド 村上春樹」読了


アンダーグラウンド 村上春樹 講談社文庫」読了.

1995年3月20日に起きた地下鉄サリン事件の関係者62人のインタビューを記録したものである.証言はサリンのターゲットになった路線ごとに分類されている.これを読むと,事件の酷さ,そして,被害者にとってはまだ進行形の事件であることに改めて気づく.

最後は,サリンで亡くなった和田栄二さんの両親と妻のインタビューである.最後のこのインタビューを読んでいると込み上げてくるものがあった.涙も一緒にである.

最後の章「目印のない悪夢」は,取材を通じて村上が思ったこと,考えたことが書かれている.東日本大震災と福島第一原発事故の記憶を持って最終章を読むと,政府と日本の組織は過去から何も学んでいないことを知り,がく然とした.

村上は書いている.”当日(サリン事件)発生した数多くの過失の原因や責任や,それに至った経緯や,またそれらの過失によって引き起こされた結果の実態がいまだに情報として十分に公開されていないという事実である.言い換えれば,「過失を外に向かって明確にしたがらない」日本の組織の体質である.「身内の恥はさらさない」というわけだ....”

なんか3.11以降の政府や東電の対応を思い出す.すべてに遅く,あいまいで,役に立たない.何も解決できないのが政府だ.

村上はこのような日本の組織の体質は帝国陸軍の体質となんら変わっていないという.つまり,政府,日本の組織は何も学ばず,進歩すらしていないのだ.

3.11の記憶に新しい今,読んでよかったと思う.

このような本を残してくれた村上春樹に感謝する.

2013年9月14日土曜日

「辺境・近境 村上春樹」読了


辺境・近境 村上春樹 新潮文庫」読了.

ハードさと面白さを兼ね備えた旅行記.

「メキシコ大旅行」と「ノモンハンの鉄の墓場」はハードだった.歴史的な背景の説明もあって,”へぇ~そう なんだ”って感じで,ちょっとした勉強にもなった.

「ノモンハンの鉄の墓場」は「ねじまき鳥クロニクル」のノモンハンに関する文章を思い起こしてくれる.比べながら読んでみたい.
「讃岐・超ディープうどん紀行」を読むと香川県にうどんを食べに行きたくなった.「中村うどん」には行ってみたい.「神戸まで歩く」を今読むと東日本大震災とだぶる.

結構むちゃな旅をしているけど,きっかけもいい加減だったりするけど,さすが小説家,面白おかしく,そして,ハラハラドキドキさせ,ときにはいろいろと考えさせてくれる.
あっという間に読めて,面白かった.

2013年9月11日水曜日

「20歳からの人生の考え方 外山滋比古」読了


20歳からの人生の考え方  外山滋比古 海竜社」読了.


「考える」と言うことを人生のいろんな場面を挙げて,著者の経験などを交えて具体的に説明している.

「人生について」,「世の中について」,「生活の中で」,「人の心について」,「考えること」に関する著者の考えが展開されている.

もちろん,これまでの著作がベースになっていて,加筆,改良されて,今読んでも十分に参考になる.

それにしても,90になろうとする年で本が書けるなんて素晴らしい.

2013年9月7日土曜日

「雨天炎天―ギリシャ・トルコ辺境紀行― 村上春樹」読了

雨天炎天―ギリシャ・トルコ辺境紀行― 村上春樹 新潮文庫」読了.


村上春樹,カメラの松村,編集のOの三人で旅したギリシャのアトス半島と,その後カメラマンの松村と村上が旅したトルコの記録・日誌である.

「シドニー!」も読んだけど,村上春樹って硬派なんだよね.

ギリシャ・トルコの旅はお笑い芸人の罰ゲームの様相だよ.

「世界の果てまでイッテQ!」なんて目じゃないよ.やっぱりTVは台本があって,安全をある程度確保した旅って感じ.でも,村上春樹の旅はそんなの超えたところのものだよ.

そこらへんの旅行ガイドより面白く,わくわく,どきどきする.旅行ガイドはもっと面白くしろよって村上春樹が言っているような感じ.つまらない旅行ガイドなら,おれが面白いの書いてやるよってか.


2013年9月3日火曜日

「シドニー! ワラビー熱血篇 村上春樹」読了


シドニー! ワラビー熱血篇 村上春樹 文春文庫」読了.

大きく3章で構成されている.

最初のシドニー日誌は女子マラソンで始まり野球,ホッケー,サッカー,ハンドボールで最後は男子マラソン,閉会式である.

途中途中にオーストラリアの歴史に関する村上春樹の個人的な感想・考えが書かれていて結構面白く読めた.

マラソン・陸上,野球は好きなようで(ヤクルトスワローズのファンだ)記述が細部にわたっている.

オリンピックは退屈と言っているわりに,競技は楽しんで観戦しているのが伝わってくる.シドニー日誌の終わりにオリンピックに関する私見に退屈な理由がちらりとのぞける.

このあとに「徳島」,「ニューヨーク」というタイトルの章が続くのが不思議だったが,読んで納得.

「徳島」では男子マラソンで棄権した犬伏のインタビューがある.「ニューヨーク」では,当時まだ現役でこのシドニーオリンピックを目指していた有森がオリンピックの後に走ったニューヨークシティーマラソンの翌日のインタビューが書かれている.この2つのインタビューで村上春樹のオリンピック観が結ばれている.

平和の祭典オリンピックも民族問題や参加する選手,参加できなかった選手の心の内なるドラマがあって,華やかだけではないことが改めてわかる.


2020年のオリンピック開催地が今週末9/7に決まるけど...

どこに決まるのかな?

東京かな? ....




2013年9月1日日曜日

2014年のほぼ日手帳

今日、9/1はほぼ日手帳の発売日。

早速ロフトに買いに行ってきた。

来年,2014年は明るい茶色とオレンジのほぼ日手帳に決定。

カズンを買うかどうかは思案中。

2013年8月27日火曜日

「思考力 外山滋比古」 読了


思考力 外山滋比古 さくら舎」読了.

外山滋比古の新作.

中身は過去の作品とダブるところが多いが,思考に関しての過去の文章を集め整理して,内容も手を加えて書き直している感じ.

外山滋比古の本は多く読んでいるが,空いた時間に軽く読めるので好きだ.

と言って内容が軽いわけではない.

この本の「直感的思考力」や「独創は反骨力」の章は面白く読めた.





2013年8月21日水曜日

「シドニー! コアラ純情篇 村上春樹」読了


シドニー! コアラ純情篇 村上春樹 文春文庫」読了.

村上春樹のシドニーオリンピック観戦記.

スポーツライターの書く文章と違って,競技の行われる町の事情も書かれていて,よく書こうとしてるのではなく,思ったことをストレートに書いてる.

読んでいるというより,オリンピック観戦をしてきた村上春樹とビールでも飲みながら話を聞いているような雰囲気がある.


村上春樹はトライアスロンやマラソンをやってるだけに全くの素人の観戦記ではなく,競技者に近いところでの観察日記のような感じがした.

「ワラビー熱血篇」が楽しみ.

2013年8月13日火曜日

「遠い太鼓 村上春樹」読了


遠い太鼓 村上春樹 講談社文庫」読了.

村上春樹がイタリア,ギリシャで過ごした3年間をつづったもの.

こんなのも書くんだなっと思った.そして,一般の旅行ガイドを参考にするのならこのほんのほうがよっぽどイタリア,ギリシャを旅するのにある意味役立つと思う.


この旅行記からの村上春樹のイメージは小説から得られるそれとは全然違った.

村上春樹って意外と硬派なのねって感じ.

文章もいわゆる旅行記とは違って,日常がリアルにつづられてるので村上春樹を主人公とした小説や映画を観ているような感じがした.

ボリュームはあるけど面白かった.

この3年間で「ノルウェイの森」,「ダンス・ダンス・ダンス」,「TVピープル」が書かれた.

2013年8月1日木曜日

「時間に支配されない人生 ジョン・キム 」読了

時間に支配されない人生 ジョン・キム 幻冬舎」読了.

著者の強いメッセージを感じる.

この本には著者がどのように自分をつくってきたか,著者の経験や考えが凝縮されてる.

日ごろ自分も思っていることであり,全面的に同意見だ.実践してるかは別になる.意志の弱い自分は半分も実践できていない.

人は,そして,自分は,生まれながらにして人であるのではない.成長によって人になるのだ.本文中では「成熟」と言う言葉が使われているが,人としての,そして,自分自身の完成度を如何に高めていくかが生きることであり,成長することである.自分を探すのではなく,自分をつくるのである.


著者の強い生き方に圧倒される.そして,憧れる.群れから離れ,無所属として生きたいと日ごろ僕も思っている.

時々この本を読み返し,自分に喝を入れたい.

2013年7月30日火曜日

いきものがかり 「 I 」

いきものがかりのNEWアルバム「I」を早速聴いてみた.

やはり,いいね.

彼らのアルバムはハズレの曲がないのもいい.

有名なアーチストのアルバムでもCMやラジオでおしてる曲はよくてもアルバムを買って聴くと「損したぁ〜!!」ていうのがよくあるけど,いきものがかりのアルバムにはハズレ曲がない.

サザンもハズレ曲はないなぁ.

とにかく,いい.

1970〜1980年のフォークソング,ニューミュージック,歌謡曲等の昔懐かしい曲と歌詞がリニューアルされていまによみがえった感じ.

だから,40代50代には聴いててどことなく懐かしさや安心感が,10代20代には新鮮さが感じられるのだろう.そんなところが幅広いファン層に繋がっていると思う.

メロディーに歌詞,言葉を大事にしてるのが聴いててわかる.大事につくられたメッセージが吉岡聖恵の張りがありそして澄んだきれいな声で届けられると最高.

とにかく,文句なくいいね,いきものがかりは.このアルバムも.


う〜ん,そのうち,吉田拓郎や泉谷しげる,中島みゆき,ユーミン,小田和正,アルフィーなど,そうそうたるメンバーが「いきものがかり」をカバーしないかなぁ〜.

2013年7月29日月曜日

「TEDトーク 世界最高のプレゼン術 ジェレミー・ドノバン 著、 中西 真雄美 訳」読了


TEDトーク 世界最高のプレゼン術 ジェレミー・ドノバン 著、 中西 真雄美 訳 新潮社」読了.

プレゼンのテクニックというより,心構えに近いかな.

読まないより読んだほうがプレゼンとの付き合い方が違うと思う.

ナンシー・デュアルテのザ・プレゼンテーションやガー・レイノルズのプレゼンテーションZENに共通するものの,表現が異なるのでお互いが補完しているように感じる.


最後の章にあるように,プレゼンは実践あるのみかもしれないけど,やっぱり,これらの本は読んでおく価値はありそう.そのうえでの実践ってやつかな.

そして,そばにおいてつらつらと眺めておくものかな.

2013年7月11日木曜日

2013年7月5日金曜日

「やがて哀しき外国語 村上春樹」 読了


やがて哀しき外国語 村上春樹 講談社文庫」 読了.

朝日堂とは違った趣の文章ですね.こっちは硬派のハルキって感じです.

外国生活や大学生活でのいろんなつまづきが伝わってきます.

僕も小説を書けるかな.

Some people can sing, other can't.

2013年6月26日水曜日

「正法眼蔵随聞記 水野弥穂子 訳」読了

正法眼蔵随聞記 水野弥穂子 訳 ちくま学芸文庫」読了.

道元禅師の弟子の懐奘禅師が道元禅師に随侍し,その四年間の教えを書き留めたもの.

訳を読んだ.原文はパスした.気が向いたら原文も読もう.

しかし、訳を読むだけでも十分だと思う.


世俗のこと,名誉・自分・利益,全てから離れ,専一座禅のみ.

ただひたすらに目の前のことに専一すること.

俗人の僕には時々,読み返すといいかも.

2013年6月25日火曜日

「村上朝日堂はいかにして鍛えられたか 村上春樹・安西水丸」読了

村上朝日堂はいかにして鍛えられたか 村上春樹・安西水丸 新潮文庫」読了.

長編とエッセーはテンポが違うなぁ〜.

面白かった.

全裸家事主婦にはショック.でも,けっこういるんですね,

村上春樹がイタリア車が好きとは以外.僕も好きだけど.

空中浮遊の夢はみたことないなぁ〜,追っかけられている夢は昔時々みたけど.


やっぱり作家だけあった言葉に引っかかることが多いんですね.

僕もよく引っかかります.

2013年6月16日日曜日

「うずまき猫のみつけかた 村上春樹」読了

村上朝日堂ジャーナル うずまき猫のみつけかた 村上春樹 新潮文庫」読了。

村上春樹の日常を垣間見た感じがする.

小説を書くことは大変な作業なんだろうけど,これを読むと楽しそうな日々が感じられる.

昔で言えば絵日記のような,今ならブログかな.

2013年6月6日木曜日

「村上朝日堂 はいほー!村上春樹」読了.

村上朝日堂 はいほー!村上春樹 新潮文庫」読了.

「うさぎ亭」のコロッケ食べてみたいなぁ〜.

最後に収録されてる「貧乏はどこに行ったのか?」は「うん,うん」と
うなずきながら読んでしまった.

面白かったよ,はいほー!

「村上春樹、河合隼雄に会いにいく 河合 隼雄、 村上 春樹」読了

村上春樹、河合隼雄に会いにいく 河合 隼雄、 村上 春樹 (新潮文庫)」読了.

あらゆる人,もの,事とのコミットとデコミットについて,「ねじまき鳥クロニクル」を思いながら二日にわたって飲みながら,食べながらのお話.

下段に補足があるけど,それを気にして読み出すと二人の話のリズムが崩れるし,無視して本文を読んでると下段が気になる.リズムを大事にするとちょっと読みづらい感じがした.

内容は面白かった.

2013年5月30日木曜日

「幸福論 アラン」読了

幸福論 アラン 岩波文庫」読了.

ちょっと読んだだけでは,理解し実践するのは難しいかな.

時々読み返すことで気付き,納得することができそう.

2013年5月29日水曜日

「日出づる国の工場 村上春樹・安西水丸」読了.

日出づる国の工場 村上春樹・安西水丸 新潮文庫」読了.

それにしても,村上春樹っていろんな文章を書いてるなぁ〜.

どの工場見学も視点がおもしろい.

最後のアデランス工場なんか読んじゃうと周りの人を思わず観察してしまうよ.

2013年5月17日金曜日

「国家(上・下) プラトン」 読了

国家(上・下) プラトン 著 藤沢令夫 訳 岩波文庫

国家を考察しながら,国の支配者の要件,その育て方,エリート教育,人の教育へと話が展開.

「人 = 国家」

最後は善い魂と悪い魂についての話.徳を積んで,より神に近い人間を目指す.それには哲学が必要.

人は国家に在り,国家は人に在り.

そう,人は生まれながらにして人ではない.教育によって人になる.
内なる獣を理性でコントロールし,より神に近い部分を育て続けることで,善い魂を持つようにする.

自分が普段考えていることとかなり近いんだよなぁ〜.

ソクラテスが言ってることって.

2013年5月4日土曜日

「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 村上春樹」読了.

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 村上春樹 文藝春秋」読了.

今年 春, 話題の村上春樹の新刊本をこの黄金週間に読んだ.村上春樹の小説は去年から読んでいて,長編・短編は読み終わっている(たぶん全部).そして,この新刊を手にした.

村上春樹は阪神・淡路大震災の後「神の子どもたちはみな踊る」の短編集をだしている.

この作品は3.11以後のものとして震災へのメッセージを含んでいると解される.たぶん.

震災以後のメッセージを307ページの”人の心と人の心は...それが真の調和の根底にあるものなのだ。”と,そのあとの段落のエリの言葉に感じた.

ネットをみるといろんな意見・コメントがあるようだが僕は読んでよかったと思った.

そして,ラザール・ベルマンの「リスト:巡礼の年(全曲) 」が届くのが楽しみだ.

さて,次は何を読むか.あっプラトンが途中だった.

2013年4月30日火曜日

「東京奇譚集 村上春樹」読了

東京奇譚集 村上春樹 新潮文庫」読了.

ふとした偶然,幻覚,説明不能な失踪,特別な出会い,無自覚な深層心理.すべては奇譚ではなく,現実だと思う.

まだ理解されない意識,空間,時間の生み出すもの.

村上春樹のテーマの一つ.


最後の「品川猿」を読んだ後,思わず,品川区役所の"心の悩み相談室"をネット検索してしまった.

さて,これで,村上春樹の長編も短編もほとんど読んだ.残るはエッセイや紀行文等だ.

その前に,このゴールデンウィークに,新刊の「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」をゆっくりと読もう.

2013年4月25日木曜日

「神の子どもたちはみな踊る 村上春樹」 読了.

神の子どもたちはみな踊る 村上春樹 新潮文庫」 読了.

最終ページに「地震のあとで」とあるように全ての短編が「地震」を織込んでいる.阪神・淡路大震災のあとに書かれてことがわかる.

地震の扱いのほとんどが,それとなくって感じだ.やはり,気を使ったのかな.

でも,克明な,これでもかって言う描写より,これぐらいのさらっとした扱いの方がよりリアルさを感じる.

今読むと阪神・淡路大震災はもちろん,3.11の震災と重なる.

収録されてる6編,みんなすきな作品だけど,最後の「蜂蜜パイ」を最後に読んだせいか妙に印象的ですきだ.

「神の子どもたちはみな踊る」は2008年にアメリカで映画制作され,2010年に日本で公開された.

http://cinema.pia.co.jp/title/155070/

YouTube


2013年4月15日月曜日

「レキシントンの幽霊 村上春樹」読了

レキシントンの幽霊 村上春樹 文春文庫」読了.

沈黙・トニー滝谷・七番目の男 に 強さ・愛・恐怖 を 読んだ.

さりげなく,みんな よかった.

2013年4月7日日曜日

「夜のくもざる 村上春樹 安西水丸」読了

夜のくもざる 村上春樹 安西水丸 新潮文庫」読了.

確かに超短編小説.

でも,よくこんなにあり得ない話が書けるなぁ.

しかも,面白く読ませてしまう.

短い文章にも村上春樹を感じさせる. 面白い.

2013年4月2日火曜日

「TVピープル 村上春樹」読了

TVピープル 村上春樹 文春文庫」読了.

TVピープルの他5編の短編が収録されている.

これらの短編は長編作品に通ずるちょっとした不気味さを持っている.

現実と非現実,意識と無意識,夢と現実等.面白い.

2013年3月27日水曜日

「村上朝日堂の逆襲 村上春樹」読了

村上朝日堂の逆襲 村上春樹 新潮文庫」読了.

村上春樹のエッセイはどこか喫茶店でコーヒーでも飲みながら村上さんと楽しい会話をしているような錯覚を感じる.

村上さんを身近に感じることができる.

なんか得した気持ちになれる.

2013年3月21日木曜日

「パン屋再襲撃 村上春樹」読了

パン屋再襲撃 村上春樹 文春文庫」読了.

妻が言うのか「もう一度パン屋を襲うのよ」って.そんな妻と暮らしたいような,暮らしたくないような....
何で銃が車にあるんだろ

「象の消滅」は何か続きがありそうな.関連した作品にどこかで出くわさないかな.小さくなった象が気になる.

次は「TVピープル」を読もうか.

2013年3月17日日曜日

「回転木馬のデッド・ヒート 村上春樹」読了

回転木馬のデッド・ヒート 村上春樹 講談社文庫」読了.

"雨やどり"は何となくすきだな.

他の短編も実際にあった話,聞いた話がベースになっているみたいだけど,何気ない話の展開だけど読者を惹きつける.

やっぱ,面白い.

2013年3月14日木曜日

「螢・納屋を焼く・その他の短編 村上春樹」読了

螢・納屋を焼く・その他の短編 村上春樹 新潮文庫」読了

「螢」は「ノルウェーの森」の元になっていると言われている.

それ以外の作品も長編との関わりがあるように読んでいて感じる.

どこがというわけではないが,全部が程よく繋がってる気がする.

2013年3月7日木曜日

象工場のハッピーエンド 村上春樹・安西水丸 読了

象工場のハッピーエンド 村上春樹・安西水丸 新潮文庫」 読了.

読むと本は文字の集まりのみで成り立っているのではないことがわかる.

フォントやそのサイズ,行間等々

いろんな要素が本に意味を与えている.挿し絵もしかり.

この本をデザインした木下勝弘さんの役割は大きいと思う.

2013年3月1日金曜日

「村上朝日堂 村上春樹」読了

村上朝日堂 村上春樹 新潮文庫」読了.

「日刊アルバイトニュース」, 雑誌の「ビックリハウス」,「GORO」に掲載されたものがまとめて収録。

 「毛虫壺の悲劇」はリアルに「ゾ〜」っとして,「女の子に親切にすること」は「フムフム,結構ありそう」ってニヤリとしてしまった.


おっ,村上朝日堂のWikiもある.


 それにしても,長編,短編,エッセイに翻訳.よく,こんなに書けるなぁ〜.

おそるべし 村上春樹.

それにしても,今年は読むペースが遅いなぁwww

2013年2月17日日曜日

「パイドロス プラトン著」読了.

パイドロス プラトン著  岩波文庫」読了.

藤沢令夫の訳は他のより読み易かった.

ソクラテスの話は,恋や恋人の話から始まって,言論やものを書く話へと飛ぶヨネェ〜.

でも,一貫して美しさ,美について語ってるのかな.

タイトルの副題にあるように.

このごろ読むペースが落ちてるなぁ〜.

2013年2月8日金曜日

「カンガルー日和 村上春樹」読了

カンガルー日和 村上春樹 講談社文庫」読了.

村上春樹の長編小説を全部読み終わったので,短編へ移る.

いろいろなテーマでよく物語が書けるなぁ〜と思う.
アイデアが豊富というのか....

短編を読んでて思ったのだが,長編のアイデアを短編で練っている感じがする.

そして,長編のスピンオフを短編に書いている気がする.


ところで,2013年,今年の4月に村上春樹の書き下ろし小説が文芸春秋から刊行される

楽しみである.

2013年1月31日木曜日

「テアイテトス プラトン著」 読了

テアイテトス プラトン著 岩波文庫」 読了

知識とは何か.

プラトンの産婆術はテアイトスを相手に三つの知識説を産む.

感覚
正しい思いなし.
言論をともなう正しい思いなし.

そして,すべてが否定される.

では,知識とは何か.

2013年1月24日木曜日

「夢で会いましょう 村上春樹|糸井重里」読了

夢で会いましょう 村上春樹|糸井重里 講談社文庫」読了.

村上春樹と糸井重里がカタカナのタイトル?に短編・エッセイを書いたもの.

共著ではない.あくまで別々に書いている.

でも,読んでるとお互いの文章の雰囲気がだんだん似てきて,区別がつかなくなってくる.

そんな短編の集まった奇妙な本.

2013年1月11日金曜日

「饗宴 プラトン」読了

饗宴 プラトン 岩波文庫」読了.

2013年,最初の一冊.プラトンの饗宴を読了.

エロスを褒め称える演説を順番に行う.

エロスへの賞讃が,最後には,ソクラテスの賞讃で終わっている.

文体に慣れていないので時間がかかったが面白い.

 特に,その昔,人間は男男,男女,女女で出来ていて,神の怒りに触れ半分に裂かれ,片割れを今でも求めている話は妙に納得.