「
おしゃべりの思想 外山滋比古 筑摩文庫」読了.
これは1980年に毎日新聞社から刊行された「ことばの四季」を精選・再編集されたもの.最後の「雑談の妙」は書き下ろしになってる.
「おしゃべり」とあるがおしゃべりについて書かれているわけではなく,おしゃべりに使われることばについて,著者の雑感がまとめられている.
最後の方にある「母国語」はまさにと思った.
近年,英語教育が文科省主導でより活発になっている.ここではポーランドの過去の分割統治の状況をあげ,純母国語を守ることが国民性・国民の文化活動を守ることになることが書かれている.
道具としての英語が必要で,英語に支配される必要はない.つねづねそう思っていた.
日本にいる外国人が「日本人は日本語をもっと大切にしなくてはいけない」,「日本人は自らの手で日本語を捨てている」と言っている.考えさせられる.
著者の本は読むたびに,日本語のことばのよさ,多様さ,意味深さを感じる.