2014年1月29日水曜日

「第一阿房列車 内田百閒」読了

第一阿房列車 内田百閒 新潮文庫」読了.

百閒先生のなんの用事もないのに汽車に乗って思い立ったところへとただ行って帰ってくるだけのことをつづったもの.

お供は弟子の山系君である.

ぶつくさぶつくさ文句を言いながらの天の邪鬼のような行動はユーモラスが漂ってくる.

落語のようなリズムもいい.

さあ,第二阿房列車はどんな旅になるのか.

2014年1月26日日曜日

「フェルマーの最終定理 サイモン・シン」読了

フェルマーの最終定理 サイモン・シン 新潮文庫」読了.

アマゾンの数学一般関連書籍の1位である(2014年1月26日時点).

230件のレビューがある.そのうち,195件が5つ星である.
とにかく面白く,一気に読んでしまったなどの感想が多い.

確かに面白かったが,一気には読めなかった.途中,読んでいてだるさを感じるところもあった.

そんなことより,授業から受ける数学の無機質,高貴,完全というイメージとは対照的な数学者の日常を知ることができる.

後半のフェルマーの定理の証明が完成するまでの話は引き込まれるところがあった.

そんなわけで,わたしも面白く読むことができた.

2014年1月22日水曜日

「おしゃべりの思想 外山滋比古」読了

おしゃべりの思想 外山滋比古 筑摩文庫」読了.

これは1980年に毎日新聞社から刊行された「ことばの四季」を精選・再編集されたもの.最後の「雑談の妙」は書き下ろしになってる.

「おしゃべり」とあるがおしゃべりについて書かれているわけではなく,おしゃべりに使われることばについて,著者の雑感がまとめられている.

最後の方にある「母国語」はまさにと思った.

近年,英語教育が文科省主導でより活発になっている.ここではポーランドの過去の分割統治の状況をあげ,純母国語を守ることが国民性・国民の文化活動を守ることになることが書かれている.

道具としての英語が必要で,英語に支配される必要はない.つねづねそう思っていた.

日本にいる外国人が「日本人は日本語をもっと大切にしなくてはいけない」,「日本人は自らの手で日本語を捨てている」と言っている.考えさせられる.

著者の本は読むたびに,日本語のことばのよさ,多様さ,意味深さを感じる.

2014年1月8日水曜日

「夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです 村上春樹」読了

夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです 村上春樹 文春文庫」読了.

越年していた村上春樹を読了.

これは村上春樹のインタビュー集1997-2009に2011年第23回カタルーニャ国際賞受賞の翌日に受けたバ ルセロナ通信社のインタビューが追加されたものである.

インタビュアーのほとんどが,当然といえば当然なんだが,村上作品を読んでいる.質問は一般読者の視点に近いものが多い.

そして,質問の多くは「村上春 樹作品はどのように作られるのか」,「村上春樹はどんな人物か」,「音楽と作品の関係」,「村上作品における短編,中編,長編の関係」,「村上春樹の一日」等々,興味深 く読めた.

読後,村上作品への印象が変わってくる.

村上春樹ってアスリートですね,走ったり,泳いだりしてるからではなくて,考
え方や創作への取り組み方がです.